20代女性 アルバイト
元々はイベント企画運営の会社に就職するも体調を崩す。首の痛みを訴えての来院。過去に何度か鍼灸を受けるも直後効果しか得られていない。脉は孔脈。血との関わりが深いことから施術後に漢方内科を紹介する。なお鍼灸治療後は症状が出ていない。
孔脈についての詳細ですが鍼灸は脈の強さを診ます。
この方の脉は弱く、脈形はねぎの芯のようで、浅くあるいは深く、両側でうかがうと両側ともに得られました。
中程度でうかがうと空虚です。
臨床では失血・津液の消耗を疑い、大失血症にみられます。例えば吐血、鼻血、崩漏などの病です。
ですから首の痛みであっても血との関わりが深いことを理解していなければなりません。
よって生理について確認する必要があります。
結果として月経に関する漢方を処方してもらうことで治癒しました。
みなさんは、鍼灸のツボだけで回復すると思うかもしれません。
しかし実際には目的と手段は異なります。
鍼灸だけでよくなるもの、漢方を組合わせるべきもの、睡眠でなんとかなるもの。
など病症と体質によって手段は異なるのです。
仮に成田空港へ行くとして日暮里経由、上野経由でスカイライナーを使うことも可能です。
ターミナル駅から高速バスもあります。
自宅からタクシーということも可能ですし、徒歩でもよくて、自転車でも良いですよね。
ゴールは成田空港です。
ただ手段は効率の他に体力で選択されます。
実際には天候などもありますよね。
治療というのは、鍼灸師というのは、このことに対して目的に応じて手段を提案実践することです。
グーグルマップを使っているのに目的地まで遠くなったり、そういったものを使わずとも短時間で目的地に到着するのは、経験によって差が生じるからです。
今回、初めて症例を紹介しましたが私のおこなっている鍼灸治療はこういったことです。
ただ刺すのでは物理療法ですから整形外科へ行けばよいと思います。
AIではなく、人間であり、鍼灸師だからこそこのような提案実践が可能なのです。
治療費が高い理由はこのような背景があることをご理解ください。
症例:首の痛み
2024年4月21日