症例:脊柱管狭窄症

50代女性、専業主婦
脊柱管狭窄症により歩行困難。 左手は浮腫により曲げ伸ばしが難しい。頸部の処置をおこない手の痺れは軽減するが、夫のモラハラにより症状は増悪する。過去に旅行先でクインケ浮腫を発症したことがあるが、ストレスは体に大きな負担をかけることがよくわかる。

彼女は小学3年生の頃から落ち着きがなくなったという。その背景にはお父さんの商売が傾き、お酒が入ると暴れるようになったからだという。彼女にとっては学校では本当の姿に戻れる一時だったのだ。こういったことが分かるから私は話を聴く。なぜならそのことと今あることは密接に関わるから。

彼女の身体にかかる負担というものは幼少期から出来上がっていたのだ。

どうか理解していただきたいことは心身一如ということ。
デカルトが西洋医学は心と体は別のモノであるという要素還元的考え方を用いたけれど心と体は一体である。
これは宗教観ではなく当たり前なこと。
だから身体の痛みは不安が無くなると消えることが多い。

ある人は奥様が突然亡くなってから不調が現れている。
そのことを西洋医学では気のせいという。
それを私は気のせいという。
この気のせいという意味が分かるだろうか。

私は気という概念で物事をみないが、物質というものが世の中の全てだとも思わない。
双方から見える景色は異なるけれど、治療をおこなうということはこのバランスをもつ必要があると思う。

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